さーさるの独り言

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世界遺産と8万点の国宝

用事があって10月最後の週末、福岡へ行ってきました。土曜の午後は空き時間だったので、博多から小一時間ほどで行ける宗像大社へ行ってみました。
宗像大社は九州本土にある辺津宮(へつぐう)、九州から約11km離れた大島にある中津宮(なかつぐう)、さらに49km離れた沖ノ島にある沖津宮(おきつぐう)の三つのお社の総称です。2017年に「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」として世界文化遺産に登録されました。私が行ったのは辺津宮(↓)です。

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辺津宮の社殿はそれほど大きくなく、出雲大社のような迫力はありません。裏手にまわると第二宮(ていにぐう)、第三宮(ていさんぐう)という社殿があります(↓)。造りは二つとも同じ。

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写真は第二宮。奥にあるのが第三宮です。これらは、伊勢神宮が昭和48年に式年遷宮(20年ごとの建替え)を行ったときに下賜された古い社殿。なぜかというと、宗像大社に祀られているのは天照大神の3人の姫君だから。

私が宗像大社沖ノ島に興味を持ったのは、近場の博物館(国立歴史民俗博物館、千葉県佐倉市)に行ったときのこと。ここには、年代順に発掘品、古文書や様々な歴史資料(大半がレプリカですが)が大量に展示されておりまして、その「先史・古代」の展示室に沖ノ島で発見された遺跡が原寸再現された展示があります。

千年以上も人跡未踏の島。超貴重な品々が露天むき出しで見つかったそうです。ヘェ~、いつか行ってみたい.....。でも歴史で習った記憶がないなぁと思ったら、調査がなされたのが昭和29年から46年だそうなので、私の頃の教科書には載っていなかったのかもしれません。

辺津宮で驚いたのが国宝の多さ。沖ノ島の調査で見つかった8万点もの発掘品がまるごとすべて国宝指定されているのだそうです。福岡県は国宝数で全国トップクラスだな、と思って調べてみたらそうでもありません。あれ? お気の毒に、宗像大社沖津宮祭祀遺跡出土品としてまとめて1件として数えられていました。

その国宝は敷地内にある神宝館で展示されています。びっくりしたのが展示品のほとんどが本物だったこと。たいていの博物版では国宝はその博物館の目玉展示。でも、特等席に鎮座しているのはレプリカなんてことがよくありますが、ここではずらりと並んだ展示品の大半に「国宝」(「複製」の但し書きなし)って書いてありました。

暗いし、手ブレ補正が無いカメラだったので、撮った写真はほとんどブレブレ(写真撮影OKでした)。ぶれが目立たない写真をいくつか並べます。

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ガラスのかけらや錆びた鉄釘みたいなのまで国宝です。8万点も国宝が出てきた沖ノ島ですが、発掘調査が済んだのはまだ3割位なんだそうです。すごいなぁ。

今回はフェリーの時間が合わず、中津宮には行けませんでした。さらに遠くの沖津宮は島(沖ノ島)全体が神域で一般人は立入禁止。この無人島に宗像大社の神官が10日交代で常駐して神事を行っているそうです。

数ページ読んで放り出してしまった梅原猛訳「古事記」。頑張って再挑戦してみようかな。

写真はすべて富士フィルム製カメラのフィルムシミュレーション「クラッシッククローム」です。

 


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Header Background image by nhaataja from Pixabay. Thanks for the great image.