暑いですねぇ。今日も全国各地で猛暑日。年寄りにはこたえます。で、今日も家にいて書けるネタです。3回連続。
今回はバトル・オブ・ブリテンの偉大なる脇役、ホーカー・ハリケーンです。機種はMk.I。レベル 1/72。
スピットファイアと比べるとずんぐりしていて、お世辞にもスマートとはいえないスタイルですね。
スピットファイアが全金属、モノコック構造なのに対してこちらは木材・アルミ・鋼管への羽布張り。設計思想としては複葉機の延長線上にある航空機でした。同じエンジン(ロールスロイス マーリンII)を搭載したふたつの試作機がほぼ同時期に初飛行したのに(ハリケーンが約4ヶ月前)スピットファイアのほうが60km/hも速かったそうです。
英国初の単葉、引込脚装備の戦闘機として名声を得るはずだったのが、あっさりと主役の座をスピットファイアに譲ったのでした。
さて、ホンモノです。
モケイとおなじMk.Iです。これも2019年撮影。RAFミュージアム、ロンドン。
羽布張り構造のため被弾に強い(弾が突き抜けるだけ)、同じく、羽布張りのためレーダーに探知されにくい(ステルス機だったんだ)、昔ながらの構造のため、整備員が慣れていて修理しやすい、速度が遅かったので墜落時にパイロットが脱出しやすい、といった低スペックならではの利点もあったそうです。
前時代的な設計と凡庸な性能でバトル・オブ・ブリテンではスピットファイアの影に隠れて目立たないハリケーンですが、実際の戦果は極めて高かったといいます。
スピットファイアがもっぱらメッサーシュミットを相手にしていたのに対し、ハリケーンのお相手はHe111やJu87といった爆撃機。与し易い爆撃機が相手とはいえ、バトル・オブ・ブリテンにおける総撃墜機数とエースパイロット(撃墜5機以上)輩出数はハリケーン部隊のほうが多かったのだそうです。さらにバトル・オブ・ブリテン後は地中海や中東で危険極まりない地上攻撃機としても活躍したんだとか。
バトル・オブ・ブリテンの攻防を淡々と描いた映画作品に「バトル・オブ・ブリテン(邦題:空軍大戦略)」があります。公開は1969年。メガホンを取ったのはガイ・ハミルトン。出演はローレンス・オリビエ、クルト・ユルゲンス他。
往年の実機が100機以上集められ、爆破や墜落など一部を除いて空戦シーンは全て往年の実機を用いた実写という今では撮影不可能な映画です。
ヒコーキ好きには本編が面白いのはもちろんですが、アルティメットエディション(DVD2枚組)についてるメイキング映像(主にインタビューですけど)で語られる苦労話がめちゃ面白いです。何が面白かったかは昔のブログに書いたので、もしよろしかったら読んでみてください。
以上、バトル・オブ・ブリテンシリーズおしまいです。