さーさるの独り言

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ヨンサンハチロク試し撮り

手に入れたのは7月。猛暑の中をほっつき歩いたら死んじゃいそうなので試し撮りを差し控え、ず~っと置き物になっていた「Ai Zoom Nikkor 43-86mm F3.5」。暑さが収まって撮り歩きを再開したときに手が伸びたのは、これじゃなくてAFか小さい単焦点

ようやく出番です。撮影場所は印旛沼近くの「房総のむら」。広大な敷地に江戸から明治にかけての武家屋敷・農家・商家などが再現されています。ぱっと見ホンモノ(一部ホンモノあり)。65歳以上は無料で入れます。

周辺は流れる・減光する、歪曲収差がすごい、絞ってもシャープにならない....。評判はさんざんのこのレンズ、どんなふうに写りますか。

以下の写真はすべてRAWから現像したものですが、ノートリミングでパラメータは全くいじっていません。JPEG書き出し時にサイズを小さくしました。

房総のむらは、入り口を入るとすぐに江戸期の商家が立ち並ぶエリア⇩に入ります。まずそこでパチリ。

あれ、なんかフツーに写ってる。開放に近いF4ですけど、周辺もそんなに流れているように見えません(右上の木の枝は単にピントが合っていないだけのようです)。

町並みを抜けて少し歩くと梅林です。陽の当たる幹⇩。F8。

ピントの合ってるところはシャープだし、立体感もあるし、周辺も流れているように見えないし、どうしちゃったんだろう。

ボケ具合はどうでしょう⇩。F3.5。

コキアの向こうに菜の花と農家の建物。ボケの感じも悪くないと思います。

農家の板壁を撮ってみました。3mほど離れたところから、絞りはF5.6。

ワイド端⇩。

樽型の歪曲。

テレ端です⇩。

今度は糸巻き。巷の評価通り歪曲収差はかなりありますね。

真っ直ぐなものはまっすぐに写ってないと気がすまない、という几帳面な方にはこのレンズは不向きなようです。私は気にならないだけでなく、木目の質感がいいなぁなんて思ってしまいました。

柿の木がありました⇩。絞りF11。

この立体感、けっこう良いと思います。でもやっぱり「周辺の流れ」がわからない。

陽がさす遊歩道⇩。F5.6。

上総掘りの機械⇩。F5.6。

こんな素朴な装置で100mの深さまで井戸が掘れるんだって。

名主クラスの農家の母屋⇩。F8。

武家屋敷⇩。F8。

大八車⇩。F5.6。

お茶屋の看板⇩。F3.5。

絞りを変えていろいろ撮ってみましたが、普通にちゃんと写ります。ピントが合ったところはシャープで実にいい感じです。どの写真を見てもわからなかったのが周辺の流れ。持ち替えないでピント調節とズーミングを行えるのもいいですね。

 私が持っている個体は後期型の8群11枚でAiになってからのもの。ニッコール千夜一夜物語の第四夜によれば、8群11枚構成の新光学系は「周辺性能や周辺光量を改良した」ものなんだそうです。

試してみた感想をひとことで言えば「いいじゃん、ヨンサンハチロク!」。

 


© Sarsalou, 2024
Header Background image by nhaataja from Pixabay. Thanks for the great image.